2009/01/10(土) フロートの落下

 インターネット・エクスプローラーのCSSバグの一つ。CSS Advisor - フロートの落下 - フローティングエレメントが想定された位置より下に落下するに詳しいが、これは困る。画面サイズの小さなパソコンではレイアウトがぐじゃぐじゃになる。対処法としてはfloat:left;を使う場合、右のdivの横幅を指定しないこと。ちょっと不満は残るものの、2列のサイトならそれで大丈夫。でも、3列のレイアウトはこれでは難しい。IE8では改善されてるんだろうか。

 IEと言えば、次第にシェアを落としているようだ(2008年ブラウザシェア推移 - IE 8%減、Fx 4.5%増、Safari 2.3%増 )。Firefoxが半分近くまでシェアを伸ばしてくれると、「このページはIEでは表示がおかしくなります。バグのないブラウザをご使用ください」とか差別的に書けるのだが、まだ無理だ。

 それにしてもOperaのシェアは1%もないのか。Wiiや携帯では便利に使ってるんですけどね。

2009/01/08(木)2008年キネマ旬報ベストテン

発表された。外国映画1位は「ノーカントリー」、日本映画は「おくりびと」。どちらも納得できる。順位は以下の通り。

【日本映画】
(1)おくりびと
(2)ぐるりのこと。
(3)実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
(4)トウキョウソナタ
(5)歩いても 歩いても
(6)闇の子供たち
(7)母べえ
(8)クライマーズ・ハイ
(9)接吻
(10)アフタースクール
【外国映画】
(1)ノーカントリー
(2)ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
(3)ダークナイト
(4)イントゥ・ザ・ワイルド
(4)ラスト、コーション
(6)イースタン・プロミス
(7)その土曜日、7時58分
(8)エグザイル 絆
(9)つぐない
(10)チェチェンへ アレクサンドラの旅

宮崎未公開は邦画が「歩いても 歩いても」「接吻」の2本。外国映画は「イントゥ・ザ・ワイルド」(近く公開)、「その土曜日、7時58分」「エグザイル 絆」「チェチェンへ アレクサンドラの旅」の4本。個人的に選んだベストテンは未公開作品を除いて邦画洋画とも見事に(順位以外は)一致していた。こんなことも珍しい。

2009/01/07(水)Google検索結果を同一ページに表示

Google AJAX Search API Google カスタム検索エンジン を組み合わせると、そういうことができるようになる。Sorry, Wrong Accessの関連3サイト総合検索とシネマ1987onlineの詳細な検索に設置してみた。画面の遷移なしで非同期通信を行うAJAXの威力はこういうところに感じる。

検索向けAdSenseのIDだとうまくいかなかった。最初、これで随分悩んだ。カスタム検索エンジンにAdSenseと関連づけていないものを作っていたのでそれを利用したら、すんなり。

コードは以下の通り。

<script type="text/javascript" src="http://www.google.com/jsapi?key="ここに取得したAPI_KEYを書く"></script>
<script type="text/javascript" language="Javascript">
<!--
google.load("search", "1");
function OnLoad() { var searchControl = new google.search.SearchControl();
var siteSearch = new google.search.WebSearch();
siteSearch.setUserDefinedLabel("サイト内検索");
siteSearch.setSiteRestriction("ここにカスタム検索エンジンのIDを書く");
var options = new GsearcherOptions();
options.setExpandMode(GSearchControl.EXPAND_MODE_OPEN);
searchControl.addSearcher(siteSearch, options);
searchControl.draw(document.getElementById("searchcontrol"));
searchControl.setResultSetSize(GSearch.LARGE_RESULTSET);
searchControl.setLinkTarget(GSearch.LINK_TARGET_SELF);
searchControl.execute("");
} google.setOnLoadCallback(OnLoad, true);
// -->

表示したいところに

<div id="searchcontrol">Loading...</div>

と書く。このコードはオプションとして検索結果の最大表示(8件)とリンクターゲットのセルフなどを指定している。カスタマイズの詳細はClass Referenceに書いてあった。ブログに設置する場合、JavaScriptをヘッダー内に書けず、Bodyに書くことになるので、少し具合が悪い。HTMLファイルに書いた方が良いのではないかと思う。

2009/01/05(月) 全米批評家協会賞

作品賞は「バシールとワルツを(Waltz with Bashir)」というイスラエル製アニメとのこと。監督はフォルマン。IMDBによると、大変評価が高い(Vals Im Bashir)。どんな映画か楽しみだが、「WALL・E/ウォーリー」が受賞したロサンゼルス批評家協会賞に続いてアニメが作品賞というのは面白い。批評家にも頭の堅い人は少なくなったのか。予告編は以下。

このほか、主演男優賞は「ミルク」のショーン・ペン、主演女優賞はマイク・リー監督「ハッピー・ゴー・ラッキー」のサリー・ホーキンス。監督賞はそのマイク・リーが取っている。驚いたのは助演女優賞のハンナ・シグラ。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー映画によく出ていたが、懐かしい名前だなあ。対象作の「そして、私たちは愛に帰る」は現在、東京で公開中。

ファスビンダーは大学時代に「マリア・ブラウンの結婚」を見て打ちのめされた思い出がある。ハンナ・シグラの名前もこれで覚えた。ファスビンダー作品は3作品を収めたDVDボックスが2005年に2つ出て、3つ目が来月、4年ぶりに出るようだ。前の2つはあまり売れなかったのかな。

2008/12/31(水) ミステリマガジン2月号

 「ミステリマガジン」2月号表紙

 オットー・ペンズラーが2008年のベスト・ミステリとしてトム・ロブ・スミスの「チャイルド44」を挙げている。「これは政治小説であり警察小説であると同時に、スリラーでもある。読み進むうちに鼓動がどんどん速くなり、手に汗を握ることになるのは間違いない」と絶賛。僕は冒険小説の一種と思った(詳しい感想はSorry, Wrong Access: 「チャイルド44」)に書いた)けれど、ペンズラーは冒険小説とは書いていないな。いずれにしても、この29歳の作家の次作が楽しみでであることは間違いない。それにしてもこの小説、アメリカでも今年発売されたのだな。

 2月号の特集はデニス・ルヘインだが、ほぼ興味がない。というか、読んだことがない。ジェームズ・クラムリーの追悼特集の記事を読む。小鷹信光さんの長い評論も読み応えがあるが、池上冬樹が「ハードボイルド仕立ての私小説」と喝破しているのに感心した。なるほど、そうかもしれない。クラムリーはミステリを書こうという意思よりも確かに「男の生き方や女との出会いと別れといった人生の諸相」の方を描きたかった作家なのかもしれない。クラムリーは7冊の長編小説を残した。僕は幸いなことにすべて買っているが、読んだのは初期の3冊(「さらば甘き口づけ」「酔いどれの誇り」「ダンシング・ベア」)のみ。残りの4冊を早く読まなければ、という気になった。