2015/10/24(土)「ロマンス」

 中盤、主人公の大島優子と大倉孝二が箱根の山中で車で道に迷うシーンがある。大倉は元々カーナビが嫌いで使わず、そのカーナビ自体、調子が悪いという設定。そんなのスマホのカーナビ使えばいいじゃん、と思ってしまう。山奥で電波が入らないのだろうか。

 宮崎キネマ館で開かれたトークショーでタナダユキ監督はロマンスカーのアテンダントは仕事中に携帯を携帯してはいけないことになっていると説明したが、それを映画の中で説明してくれないと、説得力がない。ここに限らず、どうも脚本に弱い部分が散見される。いくら母親から自殺をほのめかすような手紙が届いたからといって上司に連絡もせずに仕事を放り出していいものかとか、そんな深刻な状況なのにのんびり箱根観光なんかしてるなよとか、思えてくるのだ。監督によると、「予算はミニマム」だったらしい。脚本を練る時間もミニマムだったのだろうか。

 「百万円と苦虫女」(2008年)以来のタナダユキ監督のオリジナル作品。といってもプロットは向井康介(「もらとりあむタマ子」「ふがいない僕は空を見た」)で、それを監督が脚本化したそうだ。主人公の北条鉢子(大島優子)は小学校のころに両親が離婚。母親が男と頻繁に付き合うようになって高校卒業以来、母親とは会っていない。ロマンスカーのアテンダントをして優秀な成績だが、ある日、ワゴンから男が菓子を万引きするのを見つける。その男、桜庭洋一(大倉孝二)が駅で降りたところで逃げ出すのを鉢子が必死に追いかけているうちにロマンスカーは出発してしまう。桜庭は鉢子がゴミ箱に捨てた手紙を読んで、母親が自殺しそうだと判断。鉢子と一緒に箱根で母親を捜すことになる。

 大倉孝二の軽すぎる演技は少し気になるものの、背の高い大倉と大島優子が並んで立つシーンはまるでC-3POとR2-D2のようにコミカルな感じもあって面白い。大島優子は脇に回った昨年の「紙の月」ではいかにも若い女子の雰囲気をまとって悪くなかったし、今回も演技的には頑張っていると思う。しかし、この脚本ではやはり無理がある。前半は箱根観光みたいな描写に終始し、もしかしてこれは箱根の観光協会あたりが資金を出した観光映画ではないかと思えてくる。タイアップした施設のショットを入れる必要があったのだろうが、もう少しうまく見せたいところだ。

 タナダユキ監督は次作の上野樹里主演「お父さんと伊藤さん」(中澤日菜子原作)を編集中とのこと。原作のある作品なら前々作の「ふがいない僕は空を見た」のように脚本にも映画の出来にも期待して良さそうだ。

2015/10/24(土)Acrobat Pro DC

 Adobeからメール。Acrobatのサポートが11月で切れるとのこと。調べたら、2つ前のバージョンAcrobatXを買ったのは4年前だった。4年も使えば十分なのでDCにバージョンアップした。

 DCはDocument Cloudの略でPDFファイルをAdobeのクラウドに保存できる。これが一番大きな新機能で、Readerからも保存でき、スマホで開くこともできるのがいい。いろいろ操作法が変わっていて、ページ番号は以前はツールメニューからだったが、「PDFを編集」→「ヘッダーとフッター」からの編集に変わっていて戸惑った。

 PDFを扱うのにAcrobatに勝るソフトはないが、価格が高いのが難。Adobeストアで買うと、Proのアップグレード版は22,215円だが、amazonでは20,189円。しかも20%割引のクーポンが使える。うーん、次からはamazonで買おう。でamazonを見ていたら、AcrobatXの簡易パックというのがあった。7500円というのは安いが、これはどうも怪しい。というか、すごく怪しい。レビューを見ると、「十分使える」と書いてあるけど、XはWindows10には対応していないし、非正規品を使うのは注意した方がいい。amazonには時々、こういう怪しいソフトがあって、Officeの怪しいやつなんかも見かけた。今もあるのかな。

2015/10/15(木)「イルカは笑う」

 ショートショート「まごころを君に」のオチに笑った。いかにも落語のオチで、とぼけた感じがいい。言うまでもなく、「まごころを君に」は「アルジャーノンに花束を」の映画化で、クリフ・ロバートソンがアカデミー主演男優賞を受賞した作品の邦題。

 シリアスな「あの言葉」とホラーの「歌姫のくちびる」も良い。バラエティに富んだ短編集だが、ショートショートのおかしさが個人的には好み。ショートショートだけの作品集も出してください。

2015/10/10(土)「特捜部Q 檻の中の女」

 ユッシ・エーズラ・オールスンの原作の本筋をコンパクトにまとめている。主人公と相棒のアサドにも違和感はない。映像のセンスも悪くない。しかし、原作の大きな魅力となっているユーモアがない。筋を追うのが精一杯で、そこまで手が回らなかったのだろうが、残念。

 最後のセリフで言及される“秘書”はアサド以上におかしなヤツなので、シリーズ化するならユーモアを入れてほしいところだ。この原作を映像化するには映画よりも余裕のあるテレビシリーズの方が向いているのかもしれない。

2015/10/08(木)LANカード交換

 たまにネットの接続が切れる。再起動したり、しばらく待っていると回復するので、IPアドレスが時々変わるためかなと思っていたが、amazonプライムビデオを見ていて急に切れるようになった。DLNAでブルーレイの録画作品を見ていても切れる。これはどうもオンボードのLANアダプタに障害があるようだ、5年近く使っているのでガタが来てもおかしくはない。1個空いているPCIスロットにLANカードを挿してみることにした。

 amazonでI-O DATA 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応PCIバス用LANアダプター ETG3-PCIを購入。久しぶりにプライムで注文してみたが、やはり届くのが早い。24時間余り。これだけでも入る価値はある。このLANカード、箱にWindows10対応とは書いてないが、アイオーデータのホームページの対応状況を見ると、対応製品に入ってた。

 パソコンのガワを開けてLANカードをPCIスロットに挿そうとしたが、なかなかうまくいかない。DELLのパソコンは内部が少し狭くて作業がしにくいのだ。カードの金具も邪魔なので、それを外してなんとか挿して起動。でも認識しない。ああ、そうだった。オンボードのLANアダプタを無効にしなくてはいけないのだ(と思ったが、スロットにちゃんと挿さっていなかったのかもしれない)。再起動してBIOSの設定画面を開いて該当箇所をDisabledに変更して起動したら認識した。ところが、プライムビデオがそもそも起動しない。うーん。よく分からないが、再びBIOS設定でオンボードを有効にしたら見られるようになった。

 とりあえず、プライムビデオを見ていても接続は切れなくなった。回線速度は10Mbpsほど向上。しかし、このカード古いのでドライバにIPv6の設定項目がない。ま、支障はありませんが、安いからと言って機能をよく見ずに買ってはいけません。